人生で必要なことは、すべてSFで学んだ:[司法]まず,金を出すことが必要

人生で必要なことは、すべてSFで学んだ:[司法]まず,金を出すことが必要
 上記エントリから。

制度を変えず、単純にコストを引き上げるような改革は、なかなか通らない。教育問題や医療問題でも同様だが、まず、制度の工夫でなんとかならないかという議論が行われる。その上で、どうしようもなければ投入費用を増やそうという目論見になっているのだが、この話にはトリックがある。
教育再生会議では、教育費を増やすべき、という議論に対して、「教育費については、器を直してから水を注ぐべきであって教育の予算を増やすことには反対である」(葛西敬之委員、学校再生分科会4月9日)、「器を直すまでは水を注ぐべきでないというのは賛成」(義家弘介委員、同)といったやりとりがなされている。こういう人たちの議論にしたがえば、教育が良くなるまでは教育費を増やさない、ということになります。
ケチな改革が教育をダメにする 【後編】:NBonline(日経ビジネス オンライン)
つまり、システムの改革でなんとかなれば金を出さない、なんともならなければ、「まだシステム改革が不十分だ。良くなるまでは金を出さない」という話になって、やっぱり金を出さない。口だけ出して金を出さない。
 新人医師さんと思しきブログ主さんですらこのようにご指摘されています。医療改革と司法改革がダブって見えるのでしょうか。最近よく読ませていただいています。人材育成方法を含めたOD問題や医療制度改革と,司法改革の相似性を的確にご指摘いただいています。

 上記エントリについてはすべて賛成します。教育や医療問題でも同様であることを含めて。教育はこの国の一番重要な資源に対する先行投資です。医療や司法は国民にとって重要な価値・権利を保障する制度でしょう。資金をかけないということは,それに対する国の責任を放棄するというスタンスを取る,ということになります。制度設計としては事務所を維持するに到底足りない国選弁護人報酬から,偏在問題まで。特に偏在の背景には,地域ごとの経済格差の問題が大きいことに要因があり,政府による経済的援助は不可欠です。

 蛇足ですが,上記で引用されている日経ビジネスオンラインの記事は僕も読みました。一読の価値があります。