091214 悪魔ともいうべき独立行政法人福祉医療機構/危うい年金前借り 受給額激減、5千件が生活保護に
【朝日新聞】危うい年金前借り 受給額激減、5千件が生活保護に
公的年金を250万円まで前借りできる国の年金担保融資制度(年担)を利用した結果、収入が減って生活保護を受給した例が2008年度で4908件に上ることが、厚生労働省の調べでわかった。病気や冠婚葬祭など年金生活者の急な資金需要にこたえるための制度だが、緩い審査が生活苦を招き、年金と生活保護の「二重受給」を一部で助長しているとの批判もある。実施主体の独立行政法人は、来年2月から審査方法などを見直す。非常に分かりやすい典型的な反応の代表例はこちらのブコメ。
id:oguogu 646生活保護, 649年金 『年金と生活保護の「二重受給」』なのは明らかなのに何故か、借金をしてしまうような人よりも厚労省が悪いみたいな書き方。何処までも高齢者に優しい朝日新聞でした
年金担保貸付と生活保護
記事を読んでこう感じるのは無理もないと思います。実際に,現行の制度でも,二重受給がなされないように想定されています。*1したがって,朝日新聞の江渕崇記者の書き方は正直言って不充分です。ていうか不勉強。問題点は下記のところにあるからです。何が問題か,朝日新聞は分かっていない。
もともと年金は生活を保障するための制度
債権者に判決を取られ,給与を差し押さえられても,3/4または21万円以下の範囲は差押が禁止されます。生活を保障するためです。年金も生活保護費も差押禁止債権です。このように,制度上差押が禁止されているものは,その人の最低限の生活を守るためです。負債を払えない=氏ね,にならないように,という趣旨です。
だからこそ年金担保貸付自体も原則禁止になっているのです。
どうあたらめるべきか
(1)リスケジュールに対応すること
(2)借入時の審査とカウンセリングを丁寧に(カウンセリングを丁寧にすることは(1)と重なりますね)
(4)(1)−(3)に関連するが,安易に貸し付けないこと
(5)(2)に関連するが,生活できなくなる人には貸し付けは極力行わず,また,最低本人が受領できる金額を定める。
どういったケースが問題か
医療費
高齢者が家族の医療費や自身の医療費の負担のために借入をするケースがあります。
債務の弁済等への支払
一部のこわもての貸金業者に追い込みを掛けられたり,親族に土下座して頼み込まれ,債務の弁済に当てるようなケースが散見されます。
ほかにも
孤独な高齢者に取り付いて,同居して生活し,その高齢者に年金担保貸付で借入をさせ,その金員を得て遊興費に当てていた可能性が高い,チンピラまがいの人間もいたなぁ・・・。
その高齢者はもち金がなくなり,ホームレスになったあと,救急車で搬送され入院しました。チンピラがその人の通帳を預かっているなど,不審な点が多々あった事案です。
ということで
年金担保貸付の制度設計は見直すべきでしょう。独立行政法人が営んでいる制度で生活困窮者を生み出してどうするのでしょうか。