090516 改憲論議は保守政治家の自慰的行為でしかないのですね…。

asahi.com改憲論議、選挙控え低調 公約化、自民内にも異論

憲法を変えたい,というのは一部の自民党と一部官僚の思惑ですね。国民全体の要求ではないし,要求の切実さに欠けます。だからこそ,選挙公約に盛り込むかどうか,という議論が生じます。
以下,引用。

憲法改正手続きを定めた国民投票法の施行まで、18日であと1年。与党は国会の憲法審査会を始動させたい考えだが、民主党との協議の行方は不透明で、当面は新代表の出方を待つ構えだ。自民党内でも選挙公約への改憲明記をめぐって積極派と慎重派が混在し、総選挙前に改憲論議が盛り上がる気配はない。
与党は4月下旬、衆院憲法審査会の委員数などを定める「規程」案を本会議に出す動議を議院運営委員会に提出した。民主党は「強引」と反発するが、小坂憲次議運委員長(自民)は14日、「来週ぐらいには方向性を決めたい」と動議採決を急ぐ。
憲法改正の是非を判断する国民投票ができる人を「18歳以上」としたのを受け、07年の同法成立から施行の10年までの3年間は、民法成人年齢公職選挙法の選挙権年齢も「必要な法制上の措置を講ずる」期間とされた。ただ、法相の諮問機関が昨年末の中間報告で賛否両論を併記するなど議論は深まっていない。
しかも,成人年齢の問題まで巻き込んでしまったために,ぐだぐだになりつつあります。成人年齢の議論ですら,それ一つで重要な政策課題になるのであり,これに絡めてしまったために,改憲論議を進行させづらくなっています。小泉郵政選挙で大勝した後ならばともかく,参議院議員選挙で大敗したために,余計にすすめづらい状態になりました。
党是の改憲論議も盛り上がらない。安倍元首相が集団的自衛権行使の解釈変更を政権公約マニフェスト)に明記するよう主張しているが、党内には「理念で選挙に勝てないことは安倍首相の時に学習した」と異論が相次ぐ。船田元・審議会長代理も、総選挙で争点化して民主党との対立を浮きだたせるのではなく、「総選挙で仕切り直しした方がスムーズかもしれない」。
安倍氏は党内で浮いている模様。選挙で大敗して唐突に辞任すれば仕方ないとも思いますが。
改憲に必要な「衆参各院の3分の2の賛成」を得るには民主党の協力は不可欠。しかし、代表選に立候補する鳩山由紀夫幹事長は15日、「総理になった時に即、憲法改正に手をつけられる状況ではない」とし、岡田克也副代表も「今度の総選挙で総理になっても、当面の課題としてはかなりプライオリティーが低い」。自民党と足並みをそろえる見通しはない。
麻生首相も今月上旬、総選挙で改憲を争点にするか記者団に問われ、「憲法改正自民党結党以来の綱領」と答えるだけ。党内議論を喚起し、民主に協調を呼びかけようと自ら動き出す考えはなさそうだ。
改憲論議が切実なものではないという意味ではよい記事です。

しかし,重要なのは「改憲するか」ではなく,「どう改憲するか」という議論です。自民党改憲案の方向性をきちんと記事で伝えないとダメでしょう。そういう意味では,改憲派の議論のたてかたにのってしまっている記事ですね。