080520【朝日新聞】マック、店長に残業代支給へ

【朝日新聞】マック、店長に残業代支給へ  魚拓
日本マクドナルドがやっと一つの判断を下しました。遅い判断だとは思いますが,しないよりましです。

ハンバーガーチェーンの日本マクドナルドは20日、直営店の店長約2千人に、8月から残業代を支払うと発表した。権限が大きくないのに残業代が支払われない「名ばかり管理職」だと指摘されていたためだ。ただ、店長手当は打ち切り、支払う給与の総額は増やさないといい、待遇改善の効果は薄いとみられる。朝日新聞より
残業代を払うようにするのは、直営店の店長のほか、複数の拠点を管理する「エリア営業管理職」数百人。社内では管理職との位置づけは変えないが、法的には「経営者と一体的な立場」とされる「管理監督者」ではなくなる。上に立つ管理監督者は、「ディレクター・オブ・セールス(販売部長)」が務める。朝日新聞より
どうも朝日新聞さんには誤解があるようです。もとより管理監督者ではなかったのですから。記事には「『管理監督者』ではなくなる」とありますが,おかしいでしょう。

店長には、これまで基本給、成果給に加え、店長手当などの「職務給」があった。今回の制度変更で職務給がなくなり、代わりに残業代にあたる「時間外労務手当」を払う。残業代の支払い総額の見込みは示さなかったが、店長らへの給与の支払い総額は、いまと変わらないという。朝日新聞より

問題なのは,長時間過重労働が必然的に発生し,それを防ぐシステムがないことです。
残業代は,いわば企業に対する長時間過重労働をさせないためのブレーキです。
残業代が支払われることは,本質ではないのです。残業代として割増賃金を支払わなければならないとして,長時間過重労働に歯止めをかけるシステムをきのうさせろ,ということです。

労務監査室」を新設し、店長の勤務時間を管理。残業代を申請しない「サービス残業」の発生を防ぐと説明している。朝日新聞より

部署を設置したことで防げると本気で考えているとするなら,愚かしいことです。むしろ,世間に向けたアピールなのではないでしょうか。

マクドナルドに対しては、直営店の店長が未払いの残業代の支払いを求めた訴訟を起こした。東京地裁が今年1月に訴えを認め、約750万円の支払いを命じる判決を出している。朝日新聞より
20日に会見した原田泳幸(えい・こう)・日本マクドナルド社長は、「『名ばかり管理職』の報道の度に、弊社の裁判のケースが出るのは残念だ」と話したが、一方で「本制度の発足と係争中の裁判のことは、別々で独立した議論だ」と述べ、すぐに和解はしない考えを示した。店長への残業代も「(過去に)さかのぼって支払うことはない」と明言した。朝日新聞より

往生際が悪いというか,なんというか。
これを機に和解した方が,企業イメージの維持回復には依里よ意方法だと,分からない御仁ではないと思うのですが。
当然,過去の分も支払うべきです。

今後、残業を厳しく抑制する方針を示しており、店長らが会社からの評価が下がることを恐れ、申告しないまま残業を増やす可能性も指摘される。朝日新聞より
そのサービス残業をさせないことが企業の義務です。