090826 ソフト闇金が増えていると産経が

脅さず年利80%…「ソフトヤミ金」暗躍 市民や零細業者、不況で頼る (1/2ページ) - MSN産経ニュース:

非合法な高金利を課して社会問題化した「ヤミ金」が従来より低い金利の「ソフトヤミ金」に姿を変え、個人事業者や市民生活の間にはびこり始めていることが23日、東京情報大学の調査で明らかになった。来年6月に完全施行される貸金業法の規制強化で、消費者金融などから融資を断られた顧客の利用が、不況も重なって増えており、新たなヤミ金問題として浮上してきた。

東京情報大の堂下浩・准教授が資本金2000万円未満、従業員5人以下の全国の零細事業主、約1200人を対象に、昨年と今年の5月の2回、返済期間6カ月以下のつなぎ資金の調達先をインターネットで調査した。業種は製造、建設・不動産、小売り、飲食店などが大半を占めた。

今年の借入先上位は、(1)親族・知人(2)消費者金融・クレジットカードと続き、ヤミ金は5位だった。ただ、利用者は昨年の 5.5%から 7.3%へじわり増加。半面、消費者金融などは昨年の37.9%から28.5%と 9.4ポイントも下落した。

堂下准教授は実際に複数の借り手に面談し、「『ソフトヤミ金』の利用が確実に増え、消費者金融などから移行している」と分析する。かつてヤミ金貸金業の登録をせず、年数百〜数千%もの高金利で暴力的取り立てを行うとして社会問題化した。刑事罰を強化した「ヤミ金融対策法」が2004年1月に施行されて表面的には鳴りを潜めた。しかし、代わって増えてきたのが新種の「ソフトヤミ金」。「暴力的行為はなく金利は年40〜80%前後」(情報調査会社)というが実態は不透明だ。
上限金利29.2%を超えた非合法な業者で、かつてのヤミ金や「規制強化で廃業に追い込まれた業者が衣替えしている」(都内の貸金業者)とされる。そこに、「融資を受けられなくなった顧客が流れ込み始めた」(業界団体幹部)ようだ。

東京情報大は同時期に、「直近の1年間で消費者金融などから融資を断られた人」の使途別借入先も全国の約1400の個人、事業者に調査。不況を反映し、生活費の工面で「ソフトヤミ金」利用が増えている。堂下准教授は「ソフトヤミ金は市民生活にまで広がり、主婦でも気軽に借りられる雰囲気で問題は深刻だ。多様な資金需要に応じられる金融制度の整備が急務」と警告する。(藤沢志穂子)
産経新聞は客観報道の体裁を整え,さも消費者や零細業者の資金需要に応えられるため,貸金業法の改正をすべきというような書き方をしています。「貸金業法の改正」とは明確に言っていませんが,上限金利の低下,既存業者の衣がえを絡めて書いており,文脈としては,「貸金業法の改正」と言っているように読めてしまいます。

しかし,いみじくも需要は「生活費の工面」「零細事業主」であることから,高金利の借入に耐えられないところがほとんどです。貧困家庭の生活支援は社会保障の問題ですし,零細事業の資金需要は,地域金融機関の役目でしょう。貸金業法の改正で対応する,という処方箋は,筋違いといわざるを得ません。