090507 9条を変えることのメリットってどこにあるの?

やっぱり国際貢献かなあ

昨日,憲法を変える,という議論に関連して,焦点はやはり9条ではないか,と書きました*1
9条に関しては,やはり「国際貢献の足かせになっている」ということが,改憲派の積極的根拠になるかと思われます。

国際貢献って何?

ここ20年以内の「国際貢献」に関連する出来事は次のとおりでしょうか。

1990年 8月 2日 イラククウェート侵攻
1990年11月末頃 国連平和協力法案 廃案
1991年 1月17日 湾岸戦争勃発
1991年 6月 5日 自衛隊法99条に基づき掃海艇を派遣
1992年 6月19日 PKO協力法成立
1998年 8月31日 北朝鮮 テポドン1号試射
1999年11月ころ 不審船事件
2001年 9月11日 9・11
2001年10月29日 テロ対策特措法成立
2001年12月   PKO協力法改正
2003年 7月26日 イラク特措法成立
テロ特措法の延長のどたばたとかは省きましたが,おおむねこんな感じでしょうか。
あと,カンボジアモザンビークゴラン高原東チモール,ネパール,スーダンなどのPKO活動実績も割愛しました。すみません。長くなりすぎるとアレかなーって。

PKOで何をするのだろう?

要は,停戦・休戦の監視や平和維持活動(いわゆるPKF)をするみたいです。
どうもここ20年間,自衛隊はこういった「国際貢献活動」に軸足を移しているみたいです。それは自衛隊の関係文書にもわりとはっきりと書いてあったりします。

なぜするのだろう?

なぜ,これらの活動を日本がすべきか,という点についてはわりとあいまいだというのが僕の認識です。たとえば,世界有数の経済大国だから,とか,その地位に見合った活動をしなければいけない,とか。他の国がしているのになぜしないんだ,みたいな理由が良くあげられます。
しかし,いずれの理由も積極的な理由付けかというと疑問符が付きます。そもそも「国際貢献」なら,人材育成,開発援助,さまざまな活動があるからで,軍事的支援活動に限定されないからです。日本がなぜ軍事的な支援活動をすべきか,という点については,誰も論証をしていません。アメリカですら,過去にソマリアで死者を出し撤退を余儀なくされたという苦い経験があります。基本的には,どこも余力があってやることなんですよね。あと,利権かな?

改憲派はもっと説明したほうがいいんじゃないの?

国際貢献とよく言いますが,そもそも改憲派

このために憲法を変えなければいけないんです!
とか,憲法改正して,こういう活動ができるようにしたいんです!
という事をきちんと主張したほうがいいのではないでしょうか?
自衛隊を海外に出したい,国際貢献をしたい,というのは分かるし,動機が不純とまでは言わないけど。アメリカがソマリアで作戦に失敗したり,イラクアフガニスタンのような泥沼状態に首を突っ込む覚悟が本当にあるのだろうか。どうしても疑問があるのです。

僕みたいなへタレは,「憲法9条があるから自衛隊を海外に出すことはできないんですよ^^だって,作れって言ったのGHQだし」と言ってやり過ごした方がコストが少ないような気が・・・,とどうしても思ってしまいます。

*1:面白いことに,ここに2006年3月のブロガーと自民党の懇談会のレポートがあり,今をときめく舛添氏の改憲案の本音が明晰に語られていました。やっぱり9条を変えたいんですよね。