090330 自治体に対する首長(元首長)の賠償責任,相次いで自治体が放棄

朝日新聞:首長の賠償責任、議会が「帳消し」相次ぐ 違法公金支出 - 社会

住民訴訟で司法が「違法」と判断した公金支出をめぐり、首長が負った賠償責任を地方議会が「帳消し」にする例が相次いでいる。08年度だけでも、神戸市や大阪府茨木市などの市議会が、市長に対する市の賠償請求権を放棄する議案を可決した。同府大東市では、違法な支出分を市長に請求するよう市に命じた一審判決に対して、市議会が請求権放棄を議決。大阪高裁は26日の控訴審判決でこの議決を「有効」と判断し、住民側が逆転敗訴した。こうした議会の姿勢に「住民訴訟の意義を失わせる行為だ」という批判が高まっている。
司法権から民主主義に対して歯止めを掛けようとした*1制度設計を無にする行為であり,その意味で制度の欠陥でありましょう。立法的解決が図られるか,放棄を制約する理論が構築されるといいのですが・・・。

*1:地方自治体の首長も議会も民主主義に基盤を置いた機関であるのですが,これらに違法な行為がある場合,住民たる地位に基づいて是正を図ることができるためです。