080521【朝日新聞】宇都宮地裁の現職裁判官、ストーカー容疑逮捕

【朝日新聞】宇都宮地裁の現職裁判官、ストーカー容疑逮捕 

山梨県警は21日、宇都宮地、家裁足利支部長の裁判官、下山芳晴容疑者(55)=東京都文京区千石3丁目=を、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。

 調べでは、下山容疑者は山梨県内に住む20代の女性に好意を寄せ、今年2月下旬から3月下旬にかけて十数回にわたり、女性の携帯電話にメールで「今度いつ会えるかなあ」などと送信し、つきまとった疑い。 asahi.comより

しばし絶句。
山梨県警のどこかの留置所で留置されているのでしょうか。

しかし,事実だとしたら不適切な行為だとは思いますが,ウェブ上の記事のみだとストーカー行為と言えるのかどうか。せいぜい規制法第2条1項3号の”義務のない行為を要求すること”かと思われますが,これは同条2項で”身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。”を要求しています。
ほかにも何かしたのでしょうか。
勇み足の逮捕でしょうか。

【続報】080521【朝日新聞宇都宮地裁の現職裁判官、ストーカー容疑逮捕(2)

【朝日新聞】宇都宮地裁の現職裁判官、ストーカー容疑逮捕(書き換えられた記事)

女性の携帯電話にメールを送りつけてストーカー行為をしたとして、山梨県警生活安全企画課は21日、宇都宮地、家裁足利支部長の裁判官、下山芳晴容疑者(55)=東京都文京区千石3丁目=をストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。

 調べでは、下山容疑者は今年2月19日から3月19日にかけて、山梨県内に住む20代の女性の携帯電話に「今度いつ会えるかな」「こんばんは。今、何しているの」などという文面のメールを十数回にわたって送りつけるストーカー行為をした疑い。

 下山容疑者は事件当時、山梨県都留市にある甲府地、家裁都留支部長だった。調べによると、メールを送りつけたのは午後9時以降で、県内外のインターネットカフェや都内の自宅のパソコンからフリーメールを使い、名乗らずに送信していた。女性は、誰から送られてきたメールかわからなかったという。

 女性は3月18日、「名前を名乗らない相手からメールが届いて気持ち悪い」と、県警に相談。4月10日に被疑者不詳のまま告訴し、受理されていた。県警は、ストーカー規制法に基づく警告はしていなかったという。21日、取り調べのために県警に出頭させ、逮捕したという。

 下山容疑者は1984年に浦和地裁判事補として任官。東京地裁、浦和地、家裁裁判官などを経て、04年4月から今年3月まで、甲府地裁都留支部長だった。同年4月から現職。

 宇都宮地裁の西岡清一郎所長は21日夜、「現職の裁判官が逮捕されたことは極めて遺憾。処分については、捜査状況を見ながら厳正に対処することになる」と述べた。

 同所長によると、下山判事は4月1日付で同地裁、家裁の足利支部長に着任したが、同10日に今回の容疑で捜査対象になっていることが分かり、以降は自宅待機としたという。23日には同地裁判事となっていた。このため、実質的な勤務は3日間で、競売や家事事案を担当した。人柄については「3日間しか勤務していないので…」とうつむいた。 asahi.comより

ずいぶん記事の分量が増えました。
朝日新聞だけが早いみたいです。

なぜこの行為をストーカー行為として逮捕までしたのかはよく分からないのですが。

女性は3月18日、「名前を名乗らない相手からメールが届いて気持ち悪い」と、県警に相談。
気持ち悪いことは”気持ち悪い”程度であり,身体の安全,住居の平穏,行動の自由が害される事には直ちにつながらないと思われます。よほど酷い内容のメールでないと,ここまでいかないのでは?という素朴な疑問を感じます。

【続報】080521【朝日新聞宇都宮地裁の現職裁判官、ストーカー容疑逮捕(3)

【朝日新聞】宇都宮地裁の現職裁判官、ストーカー容疑逮捕(さらに書き換えられた記事)
なんかいろいろ書き換えられています。

 女性の携帯電話にメールを送りつけてストーカー行為をしたとして、山梨県警は21日、宇都宮地裁判事、下山芳晴容疑者(55)=東京都文京区千石3丁目=をストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。

 生活安全企画課の調べでは、下山判事は今年2月19日から3月19日にかけ、山梨県内に住む知り合いの20代の裁判所職員の携帯電話に「今度いつ会えるかな」「こんばんは。今、何しているの」などという文面のメールを十数回にわたって送りつけるストーカー行為をした疑い。

 下山判事は事件当時、山梨県都留市にある甲府地裁都留支部長だった。調べによると、メールを送りつけたのは午後9時以降で、県内外のインターネットカフェや都内の自宅のパソコンからフリーメールを使い、名乗らずに送信していたという。

 女性は3月18日、「名前を名乗らない相手からメールが届いて気持ち悪い」と、県警に相談。ストーカー規制法は被害者からの告訴を要件としている。県警によると、被害女性は送信者について心当たりはあったものの、確信が持てなかったため、4月10日に被疑者不詳のまま告訴し、受理されていた。

 下山判事は1984年に浦和地裁判事補として任官。東京地裁、浦和地裁裁判官などを経て04年4月から今年3月まで甲府地裁都留支部長。4月に宇都宮地裁に異動した。

 宇都宮地裁の西岡清一郎所長によると、下山判事は4月1日付で同地裁の足利支部長に着任したが、同10日に捜査対象になっていることが分かり、以降は自宅待機としたという。23日には支部長の職を解いていた。このため実質的な勤務は3日間で、競売や家事事案を担当したという。 asahi.comより

文面は決して悪質とは言えないかと思われます。
被害者は同じ職場の人間ですし,被害者はメールの送り主に心当たりがあるとしていたようです。

なぜこの事件が逮捕という経過をたどったのでしょうか?疑問が尽きません。

なお,記事が小出しに書き換えられているところを見ると,県警が小出しに情報をリークしているさまが伺えます。
夜9時以降もリークするとは,お疲れ様としか言いようがありません。

よくわからない事件の経過

事件の経過がいまいち釈然としません。

調べでは、下山容疑者は今年2月19日から3月19日にかけて、山梨県内に住む20代の女性の携帯電話に「今度いつ会えるかな」「こんばんは。今、何しているの」などという文面のメールを十数回にわたって送りつけるストーカー行為をした疑い。
女性は3月18日、「名前を名乗らない相手からメールが届いて気持ち悪い」と、県警に相談。ストーカー規制法は被害者からの告訴を要件としている。県警によると、被害女性は送信者について心当たりはあったものの、確信が持てなかったため、4月10日に被疑者不詳のまま告訴し、受理されていた。
宇都宮地裁の西岡清一郎所長によると、下山判事は4月1日付で同地裁の足利支部長に着任したが、同10日に捜査対象になっていることが分かり、以降は自宅待機としたという。

これによると,被害女性は3月18日に県警に相談したそうです。メールが送られたのは3月19日までですので,女性が県警に相談したことを,下山容疑者に伝えたのではないかと思われます。それでメールの送信を,県警に相談した18日の翌日である19日には止めたと考えるのが自然です。

フリーメールの痕跡も消せるものではありません。証拠隠滅しようにもなかなかしづらいところです。また,しかるべきところに相談したことを告げた時点で止めたあたり,そう悪質なものではなかったと判断できます。ストーカー様は,警察の介入があろうが何があろうが怯まない人が少なくありません。

あえて逮捕する理由がどこにあるのでしょうか。

しかも,告訴を受理した4月10日の時点で宇都宮地裁に,下山容疑者が捜査の対象になっているということがわかっているわけです。本気で身柄をとるつもりなら,普通は知らせないでしょう。

いろんな意味で釈然としません。

【続報】080521【朝日新聞宇都宮地裁の現職裁判官、ストーカー容疑逮捕(4)

asahi,comさらにいろいろ付け加わりました。
魚拓がとれないのが残念です。

女性の携帯電話に執拗(しつよう)にメールを送りつけてストーカー行為をしたとして、山梨県警は21日、宇都宮地裁判事、下山芳晴容疑者(55)=東京都文京区千石3丁目=をストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。

 生活安全企画課の調べでは、下山判事は今年2月19日から3月19日にかけ、山梨県内に住む知り合いの20代の裁判所職員の携帯電話に「今度いつ会えるかな」「こんばんは。今、何しているの」などという文面のメールを十数回にわたって送りつけるストーカー行為をした疑い。この女性職員に好意を持ち、長期間にわたって同じような内容のメールを数十回送りつけていたらしい。

 下山判事は事件当時、山梨県都留市にある甲府地裁都留支部長だった。調べによると、メールを送りつけたのは午後9時以降で、県内外のインターネットカフェや都内の自宅のパソコンからフリーメールを使い、名乗らずに送信していたという。

 女性は3月18日、「名前を名乗らない相手からメールが届いて気持ち悪い」と、県警に相談。ストーカー規制法は被害者からの告訴を要件としている。県警によると、被害女性は送信者について心当たりはあったものの、確信が持てなかったため、4月10日に被疑者不詳のまま告訴し、受理されていた。

 下山判事は1984年に浦和地裁判事補として任官。東京地裁、浦和地裁裁判官などを経て04年4月から今年3月まで甲府地裁都留支部長。4月に宇都宮地裁に異動した。

 宇都宮地裁の西岡清一郎所長によると、下山判事は4月1日付で同地裁の足利支部長に着任したが、同10日には女性の被害状況を把握し、下山判事からも事情を聴いた。以降は自宅待機としたという。23日には支部長の職を解いていた。このため実質的な勤務は3日間で、競売や家事事案を担当したという。

別な新聞では,情報は東京高等裁判所にもたらされたみたいですが,宇都宮地裁でも把握し,本人に事情聴取をしていたとあります。いまさら罪証隠滅もないかと思いますが。