080327愛知大、法科大学院初の不適合 認証機関「受験に偏重」

朝日新聞:愛知大、法科大学院初の不適合 認証機関「受験に偏重」  魚拓
朝日新聞からの引用です。

法科大学院を評価する認証機関の「日弁連法務研究財団」は26日、愛知大法科大学院名古屋市)について、財団が定めた基準に適合していないと判定した、と発表した。カリキュラムや授業内容が「受験対策に偏っている」とされた。新司法試験制度のもとで法科大学院が04年に開校して以来、「不適合」の判定が出たのは初めて。評価結果によると、3年生の4科目で、時間内に試験形式で答案を書かせる「答案練習」形式の授業を必修としているほか、司法試験で重視される法律基本科目に授業が偏っていた点などを指摘し、司法試験対策を過度に偏重した面があったとしている。

司法試験に合格してナンボの法科大学院で受験対策を行うことを否定されるのは,自己矛盾でしかないのでは。

弁護士落合洋司(東京弁護士会)の「日々是好日」:法科大学院の評価機関、愛知大は「不適合」と判断

(引用者注・ここでいう「失敗作」とは日本の法科大学院を指します)失敗作の評価には、あまり興味も意義も感じないのですが、上記の評価機関なるものが、司法試験を目指すこと、その準備に学校が関わることを忌み嫌っているように見えるのは気になりますね。
司法試験の答案を作成する訓練を行うことは、法律文書を作成する訓練にもなり、上記の記事にあるような評価が、そういった性格を踏まえて行われているのか、疑問がつきまといます。
新聞記事からはどういった指導がされていたかは,厳密にはわかりません。

しかし,私は落合先生と同様の疑問を感じました。答案練習会が法曹養成のために必須であるなら行う必要があるわけです。学生の習熟段階として答案練習がもっとも望ましいのなら,それでいいのではないでしょうか。そもそも法科大学院は新司法試験の受験資格とマッチしているからこそ受験生を呼び込めるのです。新司法試験を受験でき,合格できることが売りなのです。にもかかわらず,そのための対策を重視してはならない,というのは,乱暴な言い方かもしれませんが,底意地が悪いとしか言いようがありません。慶応大学のように試験委員が問題を漏洩したのではと言われるような「受験対策」は論外ですが,全うな受験対策の否定してどうするのでしょうか。

法科大学院−新司法試験という法曹養成制度のひずみとしか言いようがないです。